【アパート経営】生活保護者へ部屋を貸すメリット・デメリットを解説

スポンサーリンク
住まいの情報

「築年数が古くなり、空室がなかなか決まらない」
「生活保護者を受け入れるのに抵抗がある…」
「トラブルを起こしそうで不安…」

と思いながら、『生活保護の受給者NG』でアパート・マンション経営をしていませんか?

この記事では、生活保護の受給者を入居させることのメリット・デメリットを解説します。

わたしもあなたと同じく、大家業を営んでいます。不動産収入は年間1億円ほどで、生活保護の受給者を受け入れている物件も数棟運営しています。
同じ大家としての目線で、生の意見が聞きたい」と思っている大家さんは是非、この記事を参考にしてください。

 

スポンサーリンク

生活保護の受給者はこんなに増加傾向にある

厚労省の発表では、2020年の生活保護受給者数は、206万人を超えました。
受給者数は増加傾向にあり、2000年からの20年間で受給者数は2倍にまで増えています。
日本の総人口が1憶2,500万人なので、人口比は1.6%。100人いたら1人以上は生活保護の受給者になります。

この記事であなたに考えていただきたいポイントは…
この206万人を潜在顧客と捉えるかどうか
です。

日本の賃貸マーケットは、今や完全に借り手市場です。数多くの似たような部屋の中から、より条件の良い部屋を借り手が選ぶ時代です。
日本の人口が減少してから早10年が経ちました。今後はさらに人口減少が加速されます。

賃貸マーケットにとって『人口減少 = 顧客の減少』です。大家さんにとって苦しい時代が長く続くことが予想されます。
他物件と差別化し競争力を高めるには、新たなニーズや顧客を開拓する必要があるのではないでしょうか。

なぜ、生活保護の受給者をNGとしているのか?
ここで自問してみてください。

その答えが…
「なんとなくイメージが悪いから」
「質が悪そう」
など、抽象的な答えだったのなら再考すべきです。ビジネスチャンスを逃している可能性があります。

 

生活保護者へ部屋を貸すメリット1:入居率の向上

生活保護の受給者を受け入れている賃貸物件はまだまだ少ないです。つまり、『貸し手市場』です。

わたしは、『生活保護受給者OK』としているアパートを東京都内に4棟所有していますが、どの部屋も空室になってから申し込みまでの期間は1ヵ月以内です。
客付け業者さんから、「空室予定が出たら教えてほしい」とのリクエストを頂いている物件もあります。

それだけスピーディーに空室が改善されます。

 

メリット2:長期入居が見込める

この点が最大のメリットかも知れません。

生活保護の受給者は、総じて長期入居が見込めます。理由は…
彼らは簡単に引っ越すことができないから
です。

受給者にはそれぞれ、自治体の福祉課からケースワーカー(担当者)が割り当てられ、彼らはケースワーカーの承認なくして転居はできません。
転居費用も含め、受給者へ支給されるお金の原資は、わたし達の税金なので、ケースワーカーも慎重に税金の使用用途を考えなければならないからです。

受給者が…
上階の足音がうるさいから引っ越したい
住んでみたら想像と違ったので引っ越したい
と、転居を希望しても、これらの理由ではケースワーカーは承認しません。

逆に、受給者が退去となるパターンは大きく2つです。
ひとつめは、『受給を卒業し自立して引っ越すとき
ふたつめは、『亡くなったとき
退去理由はこの2つがほとんどです。

 

メリット3:家賃滞納のリスクが低い

意外と知られていないのですが、生活保護の受給者は、家賃の滞納リスクがとても低いです。
理由は…
1:自治体が直接大家さんへ家賃を支払うシステムがあるから
2:受給者が支給された家賃を使い込んでしまったら、受給が打ち切りになるから
です。

 

自治体が直接大家さんへ家賃を支払う制度があるから

自治体には『代理納付制度』といって、自治体が直接大家さんへ家賃を振り込んでくれる制度があります。
東京23区でいうと新宿区、目黒区などです。

そのため、毎月確実に家賃が振り込まれます。なにせ相手は自治体なので、支払いが遅れることはありません。
※制度を導入していない自治体もあります(世田谷区、豊島区、など)

 

受給者が支給された家賃を使い込んでしまったら、受給が打ち切りになるから

自治体が代理納付制度を導入していなければ、受給者からの支払いになります。
受給者が支給された家賃を使い込んでしまい、支払えるものがなくなったら?
そんな不安を持っている大家さんもいるかも知れません。

大丈夫です。ほとんどの受給者さんは、自治体から生活費を支給されたその日に入金してくれます。
受給者が支給された家賃を支払わず、交際費や娯楽費などに使ってしまったら、彼らは『福祉打ち切り』になってしまう可能性があります。
そうなってしまうと、彼らの選択肢はホームレスしかありません。

そのため、彼らは家賃が支給された当日に支払いを済ませる人が多いのです。

 

メリット4:礼金アリでも敬遠されない

受給者向けの賃貸物件は、礼金アリでも敬遠されません。

生活保護の受給者が部屋を新たに借りるときの礼金や敷金などの初期費用は、自治体が負担します。
わたし達が部屋を探すときには、「この部屋は礼金が2ヶ月だからやめよう」と、初期費用の金額も判断材料になりますが、受給者にとって初期費用は実費で支払うわけではないので、初期費用については気にしていません。

そのため、礼金アリも礼金ナシも、どちらも大差がないのです。

「自治体が初期費用を負担する」と説明しましたが、この初期費用には上限があります。
自治体により多少異なりますが、家賃の4倍を上限としているところが多いです。
礼金、敷金、仲介手数料、保証会社委託料などの合計額が、家賃の4倍以内に収まる物件でないと、転居は承認されません。

たとえば…

承認されるケース

礼金:2ヵ月
敷金:0.5ヵ月
仲介手数料:1ヵ月
保証会社委託料:0.5ヵ月

承認されないケース

礼金:1ヵ月
敷金:2ヵ月
仲介手数料:1ヵ月
保証会社委託料:0.5ヵ月

お伝えしたいことが分かるでしょうか?

つまり…
受給者へ向けて部屋を貸すなら、『礼金を多く設定した方がお得ということです。

 

生活保護者へ部屋を貸すデメリット1:生活音のトラブルが起こりやすい

生活保護の受給者は、自立できるほど仕事がある状態ではないから自治体からの支援を受けています。

そのため、自宅(室内)にいる時間が長くなるので、『自身の生活音が発生しやすく、そして他者の生活音が気になりやすい』環境にあります。

 

デメリット2:入居可能な家賃の上限が決まっている

生活保護の受給者は、支給される家賃に上限があります。

上限額は部屋の広さと自治体によって異なります。東京23区の場合は…
6㎡超 ~ 10㎡以下:43,000円
10㎡超 ~ 15㎡以下:48,000円
15㎡超 ~:53,700円
です。

注意していただきたい点は、上記の金額には管理費は含まない点です。
管理費は受給者の実費で、自治体から支給されません。

たとえば…
・専有面積が12㎡のワンルーム
・賃料46,000円、管理費3,000円
・敷金1ヵ月、礼金1ヵ月

このような条件の部屋の場合、管理費の3,000円は受給者の生活費からの支払いになります。

そのため、受給者向けへ家賃を設定するなら…
賃料48,000円、管理費1,000円

このように設定することで、より興味を持ってもらえる部屋になります。

 

生活保護者を受け入れる時の注意点

・保証会社加入を必須にする
・孤独死対策が必要
・受給理由をケースワーカーへ聞いてみる

 

保証会社加入を必須にする

自治体からの代理納付制度があっても、保証会社加入は必須条件にしてください

保証会社の補償範囲は家賃だけではありません。室内の残置物の処分の面倒も見てくれます。
なにかの事情で、入居者さんが失踪や夜逃げをした場合の残置物の片付けのためにも、保証会社加入を必須とすべきです。

 

孤独死対策が必要

日本国内で孤独死された方は、毎年5,000人以上になります。

生活保護の受給者は頼れる親族や家族がいない人も多くいます。そのため、安否確認が取れにくいこともあり、室内で万一の事態が起きた時には発見が遅れる傾向があります。

そのため、入居者さんが室内で孤独死した場合に備え、遺品整理や原状回復のための対策が必要になります。

具体的には…
・孤独死特約が付いた保証会社と契約
・孤独死特約が付いた家財保険プランを契約
です。

 

受給理由をケースワーカーへ聞いてみる

受給者から申し込みが入ったら、「なぜ生活保護を受給しているのか?
その理由をケースワーカーへ尋ねてみることをオススメします。ケースワーカーによっては答えてくれない場合もありますが、ダメ元で聞いてみましょう。

「大きな怪我をしてしまい仕事ができなくなったから」
「高齢ため再就職先がなかなか見つからないから」
「病気になってしまい、思うように働けなくなったから」
など、それぞれの事情が伺えます。

ひとつ注意点が。
受給理由が『精神疾患』の場合、入居後にトラブルが起きやすい傾向にあります。
申込者が精神の病気を患っている人の場合、しっかりと入居審査をしてから判断してください。

入居審査の進め方はコチラ↓
【大家さん向け】正しい入居審査の手順を解説|保証会社の審査だけで入居OKとするのは間違い!

 

おわりに

今回はアパート・マンション大家さんへ向け、生活保護者へ賃貸で部屋を貸すメリットとデメリットを解説しました。

誤解がないように補足しますが、生活保護者は皆トラブルを起こすわけではありません。
一般の入居者さんと同じく、みなさん静かな生活を望んでいます。

最も大切なことは…
わたし達大家こそ、受給者を偏見という色眼鏡で見ないこと
です。

生活保護者だから、この対応は後回し!
生活保護者だから、話半分で聞く
これらは絶対にNGな行動です。

福祉の支援を受けている人を弱者として見るのではなく、『顧客』として考えてみてはいかがでしょうか?
ビジネスとしてチャンスが広がりますし、きっと、わたし達大家さんの人間性も豊かになるのではないでしょうか。

ログスタの Sora でした。
それではまた。

コメント

タイトルとURLをコピーしました