「保証会社の審査だけでは不安…」
「正しい入居審査の手順が分からない」
このような悩みを抱えていませんか?
この記事では、賃貸経営している大家さんへ向け『保証会社の審査だけで入居OKとしてしまう危険性と、正しい入居審査の手順』を解説します。
健全にマンション管理するうえで、入居審査はとても重要です。入居者の質が下がることは空室率の増加に直結します。
わたし自身も会社を通じて、アパート・マンションを自主管理している大家のひとりです。
現在の不動産収入は、年間で1億円ほどになります。
すぐにでも実践できる方法を分かりやすく紹介していますので、最後までお付き合いください。
保証会社の審査だけで入居OKとするのは危険

大家さんの中には、『入居審査 = 保証会社の審査』そう勘違いしている人も多くいますが、これは大きな間違いです。
入居審査と保証会社の審査は似ているようで、実は違います。
正確に言いますと、『入居審査の判断材料のひとつが、保証会社の審査の可否』といった位置付けです。
入居審査の目的は、「この申込者を入居させても問題ないか?」を判断することです。
判断材料は大きく分けて2つです。
それは…
・人柄
・家賃の支払い能力(金融用語で「信用力」と言います)
です。
保証会社が審査するのは後者の『信用力』です。保証会社は言い換えれば、契約者の連帯保証人のようなものです。
そのため審査基準のポイントは…
・家賃を継続して支払えるのか?
・滞納した場合、それを回収できる見込みがあるのか?
になります。
つまり、申込者の人柄は審査対象になりません。
当然と言えば当然で、保証会社は申込者と対面することはないので、人柄を判断しようがないからです。
一方、これから入居者と長い付き合いになるであろう大家さんにとっては、相手の信用力以上に人柄の方が大事です。
「ルールを守ってくれるだろうか?」
「他の入居者に迷惑をかけるような人じゃないか?」
「部屋をキレイに使ってくれるだろうか?」
これらは書類だけでは分かりません。対面して初めて判断できることです。
「保証会社の審査が通ったから問題ないはずだ」と思い違いをしてしまうと、思わぬ不良入居者を受け入れてしまうことに繋がってしまいます。
保証会社の審査は…
申込者の信用力審査であり、人柄は審査範囲ではない
ということです。
大家さんが保証会社を利用するメリットは別記事で解説しています↓
【大家さん向け】保証会社を利用すべき5つのメリットを解説
入居審査は『大家さん審査』と『保証会社審査』のダブル審査が基本

では、人柄は誰が審査するのでしょうか?それは、大家さんであるあなたです。
マンション経営のことを一番考えていて、かつ申込者と対面できる人はあなたしかいないからです。
保証会社審査 = 申込者の信用力審査
大家さん審査 = 申込者の人柄審査
この2つを総合的して判断することが、正しい入居審査の手順です。
では、いつ対面して審査するのか?それは内見時です。
大家さんの中には、契約時に初めて申込者と会う人もいますが、これでは遅いです。
仮に、契約の場で初対面した印象で「素行が悪そうだな」や「禁煙物件への入居なのに、本人からタバコの臭いがするな」と感じたとしても、その場で契約拒否することは現実的ではありません。
相手に大きな迷惑が掛かりますし、下手をすると、損害賠償を請求される可能性もあります。
※実際、裁判所から大家さんへ損害賠償請求の支払い命令が出た判例もアリ
申込者の人となりを見極めるためにも、内見時は可能な限り立ち会ってください。
入居審査は内見時から始まっている

大家さんが内見時に立ち会う目的は、申込者の人柄の見極めです。外見、しぐさ、持ち物、言葉使い、などを観察します。
具体的なポイントは…
・清潔感ある外見か? → 部屋をキレイに使ってくれそうか?
・待ち合わせ時間に遅れないか? → ルール、期日、時間を守るタイプか?
・言葉使いは粗くないか?丁寧語を使えるか? → 社会人としての一般常識があるか?
・ビーチサンダルなど、場違いな服装ではないか? → 常識的マナーを持ち合わせているか?
です。
また、こんな人には要注意してください。
・同伴の友人がやたら多い
・内見時間が短い
・浴室やトイレなど、水回りをチェックしない
これらに該当する人は、自分で住むつもりがない可能性があります。
特に水回りを見ない人には要注意です。
本当に自分が住むつもりなら、たとえ新築マンションだとしても、浴室、トイレ、キッチンは必ずチェックします。
それをしないということは、自分で住むつもりではない可能性が高いです。
実際、当社で過去に起こった事例です。
繁華街に立地し、周辺にラブホテルがあるマンションに内見者が来ました。
彼は部屋をサッと見ただけで、浴室やトイレも見ずに申込みをしました。内見時間は3分程度です。
当時、なかなか入居者が決まらなかったため、担当者は不安を覚えながらも入居審査をOKとしました。
結果、その部屋は申込者の居住目的ではなく、デリバリーヘルスの女性の待機部屋として利用されてしまいました。
発覚後、すぐに契約違反で退去させましたが、退去まで2ヶ月ほどの期間を要し、担当者にもかなりの心労が重なりました。
たとえ契約違反があっても、入居者を退去させることは、入居させることより何倍も大変です。
後々に大きなトラブルが起こらないよう、内見時に申込者をしっかり観察してください。
入居審査は、内見時から始まっています。
管理会社に任せるのはダメなのか?

大家さんの中には、管理会社に入居審査を任せている人も多くいますが、入居審査をすべて管理会社へ委任することはオススメしません。理由は管理会社の収益構造にあります。
管理会社の売上や利益のメインは物件の管理委託料ではありません。入居、退去、リフォームなどに伴う費用が収益のメインです。
つまり、入退去時の人が動くタイミングが、もっとも収益を得られるようになっています。
管理会社を経営している立場として、非難を恐れずお伝えしますが…
「入退去が多い物件ほど儲かる」
これが管理会社の本音です。
一方、大家さんは逆です。入居者の長期入居こそが、安定したマンション経営に繋がります。
もちろんこんなケースはあり得ませんが、入居者さんが一度も退去しない物件こそが理想のマンション経営です。
大家さんと管理会社は利益相反です。
もちろん管理会社の多くは大家さんの味方です。ただ、それは『ビジネスだから』ということを忘れないでください。
まとめ

以上、アパート・マンション大家さんへ向けた、保証会社だけに頼らない正しい入居審査の手順を解説しました。
同じ大家業に携わる者として、この記事があなたの参考になればと思います。
ログスタの Sora でした。
それではまた。
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